酒類、アパレルにおける販売管理について

酒類、アパレルにおける販売管理について

酒類、アパレルにおける販売管理について

販売管理ソフトを導入する際、税制などの法制度や、商品の販売形態に特徴がある業界では、そのソフト・システムで対応が可能か、 あらかじめチェックすることが必要になります。 酒類・アパレル業界の販売管理では、一般的な販売管理とは求められる部分や構造が異なるので注意が必要です。 今回は酒類・アパレル業界を例に、「業種別特性」が強い場合の留意点について考えます。

業界と法制度の関係

まず、酒類を例として考えてみます。

酒類の大きな特徴は、法制度(税金)が特殊であるということです。 通常、販売管理ソフトは「消費税」には対応していますが、一般的な販売管理ソフトの場合、酒税への対応はカスタマイズでの組み込みとなります。 ただし、特殊なカスタマイズを行う場合、導入の際に費用が増加してしまったり、導入に時間がかかったりするなどのリスクが想定できます。 そのため、酒類の税制度のように特殊な法体制や業界特性がある場合、その特殊性に対応した専門の販売管理ソフトを選択することを推奨します。

専門のソフトを選択すれば、こうした法制度は標準で組み込まれているため、仮に法制度の変更があった場合でも、保守契約をあらかじめ締結しておくことで最新の法制度を廉価に組み込むことが可能です。 酒類専門の販売管理ソフトにおいて、酒税の改正に標準で対応することは当然ですし、法制度が特殊な他の業界専門のソフトについても同様であるといえます。 こうした、販売管理と業界特有の法体制が密接に関係する分野では、大規模なカスタマイズが必要となる一般的な販売管理ソフトよりも、標準で制度に対応している専門的な販売管理ソフトを選ぶことが得策だといえるでしょう。

業界特有の商品・価格・単位形態が特殊な場合

次に、アパレル業界を例に、商品・価格・単位形態が特殊な場合の販売管理ソフト導入について考えてみましょう。

アパレル業界の特徴は、商品によってカラーバリエーションが多数存在することや、流通加工が複雑に組み合わさること、切り売りなどの概念が存在することなどです。 このように、商品・価格・単位形態に大きな特徴がある場合もまた、一般的な販売管理ソフトの応用では対応が困難なケースだといえるでしょう。 もしカスタマイズを実施する場合は、販売管理ソフトのコアとなる部分にまで手を入れる必要があります。 カスタマイズの影響範囲が大きく、作業に手間がかかるため、結果的にコストアップとなるだけでなく、ソフトウェアの大幅な改変によって、システムのトラブルなど品質に影響が出る可能性も考えられます。 こうした場合にもやはり、専門の販売管理ソフトと一般的な販売管理ソフトを比較したうえで、どちらを選択するかを商品・価格・単位形態の3つの視点で検討することが必要となるでしょう。

業界特性の整理が重要

以上のように、販売管理ソフトを評価するためには、法制度、商品、価格、単位の4つの視点が重要です。 これら4つのポイントの独自性が高ければ高いほど、通常の販売管理ソフトをカスタマイズするよりも専門の販売管理ソフトを導入するほうが有益であると考えられます。

一般的な販売管理ソフトは、汎用性が高い反面、専門性は低く、どうしても特殊な業界に対応することは難しい構造となっています。 一般的な販売管理ソフトは一般的な範囲で機能を広げていくという設計であることが多いため、特殊な業界の業務を一般的な販売管理ソフトでカバーすることは難しいのが現実です。

自社の特性を考えたうえで、一般的な販売管理ソフトをカスタマイズした場合と専門の販売管理ソフトをそのまま導入した場合のコスト・安定性・操作性を比較して、最適な販売管理ソフトを導入することを推奨します。